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内科学の発展の歴史と医療現場の話

内科学は、臓器を対象に手術に頼らない方法で診療を行う医学の分野のことを指す。内科は紀元前から存在していた非常に古い医学である。内科の発展には物理や化学、薬学の発達が大きく影響してきた。代表的なものとして心電図やレントゲン、ペニシリンなどがある。

心電図やレントゲンは現在でも健康診断の現場に導入されている。そして、ペニシリンの大量合成の成功は、多くの感染症を防いできた。そんな内科は臓器を扱う分野であるが、医学の発展とともに知識も膨大なものとなっている。そのため、一人で全部の臓器に精通することはなかなか難しい現状がある。大学病院などの大きな病院では内科は臓器別になっていることが多い。とはいえ、全身を診察する総合内科医は少数派ではあるが存在している。

日本内科学会では、認定内科医と総合内科専門医の2種類の認定制度を設けている。診療科ごとに専門性が高い大病院では認定内科医が求められる傾向にあるが、患者さん自身、どこが悪いのかよくわからない場合には、内科診療全般のスペシャリストである総合内科専門医の診療が適している。そのため、具合が悪いものの原因が見えないときは、総合内科専門医の認定がある存在がいると心強いだろう。

内科の医療従事者として働く場合、診療や服薬指導、生活指導を行うため、患者さんやご家族とコミュニケーションを取る機会が多くなる。そのため、人と接することが好きな人に向いているだろう。また、外科と比べて緊急性の高いケースが少ないため、大きなプレッシャーを抱えたり、追われたりするのが苦手な人であれば、従事しやすいはずだ。